忠臣蔵で有名な赤穂浪士は、1703/1/30(旧暦 元禄15年12月14日)未明に、赤穂藩 藩主だった浅野内匠頭長矩の仇を討つために、幕府・高家旗本だった吉良上野介義央の屋敷に討ち入った47名の浪人達を言う。
 事の発端は、1701/4/21(旧暦 元禄14年3月14日)に江戸城の本丸御殿の大広間から将軍との対面所である白書院に至る全長約50mの松之大廊下（通称 松の廊下）の一角で、浅野内匠頭長矩が吉良上野介義央に対しておよんだ刃傷事件である。この事件により、浅野内匠頭長矩は即日切腹、赤穂浅野家は断絶、赤穂藩は改易と決まった一方、吉良上野介義央に対してはお咎めがなかった。 主君が断絶となったため、赤穂藩の赤穂藩筆頭家老だった大石内蔵助良雄を始めとする、武士たち全員が浪人になった。浪士と呼ぶのはこのためである。
 主君に絶対的な忠誠を誓う赤穂のこの裁きに怒った赤穂藩の元武士たちは、吉良上野介義央に対してお咎めがなかったことに対して猛烈な怒りを秘めることとなった。その後、紆余曲折を経て、1703/1/31(旧暦 元禄15年12月15日)に本所松坂町にある吉良上野介義央邸に討ち入りを決行した。 討ち入りは大石内蔵助良雄を中心に計画され、当日は表門部隊が大石内蔵助良雄を隊長とする23名、裏門部隊が大石内蔵助良雄の嫡男大石主税良金を隊長とする24名が参加した。
　討ち入り後は浅野内匠頭長矩の菩提寺である高輪の泉岳寺に向かった。その後、寺坂吉右衛門信行を除く46人の赤穂浪士は、熊本藩の細川越中守綱利の高輪下屋敷、伊予松山藩の松平隠岐守定直の三田中屋敷、長府藩の毛利甲斐守綱元の麻布上屋敷、老中の水野監物忠之の芝中屋敷に預けられ、幕府の処分を待った。寺坂吉右衛門信行は討ち入りじは居たものの、泉岳寺に到着した際には姿がなくなっていたとされるが、どのような理由によりそうなったか真相は不明である。
 1703/3/20(旧暦 元禄16年2月4日)に切腹が決まり、46名はその日のうちに預かり先の大名屋敷で切腹した。
 赤穂浪士たちは主君の遺恨に対して、幕府の高家旗本に対して命がけで討ち入り、その結果切腹となったが、この一連の行動は当時の武士道の価値観では真の忠義だとされ、当時は江戸幕府に対して不満が鬱積していた庶民達から特に賞賛された。