世界遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」は2007年に世界遺産・暫定リストに掲載、2012年ユネスコに推薦、2013年に開催された第37回世界遺産委員会において世界遺産リストに登録された。登録に先立って行われたICOMOSの会議では、三保松原を除いた上で登録すべきという条件付きで富士山を文化遺産として登録するよう勧告された。その後開催された世界遺産委員会では三保松原を含めるようロビー活動を行った結果、推薦書の通り三保松原を含めて世界遺産に登録された。
 推薦書では日本を代表し象徴する日本最高峰の秀麗な円錐成層火山として世界的に著名であり、その荘厳で崇高な形姿を基盤として日本人の自然に対する信仰のあり方や日本に独特の芸術文化を育んだ山で、山岳に対する信仰のあり方や、海外に影響を与えた19世紀後半の葛飾北斎や歌川広重などによる顕著な普遍的価値を持つ浮世絵などの日本独特の芸術文化を育んだ山であるとされている。当初は登録された文化遺産ではなく、自然遺産への登録が検討されていたが、ゴミ問題により登録が困難であることから文化的景観という観点で、世界遺産への登録手続きが進められた。
 富士山は古来より信仰の対象とされており、平安時代初期(9世紀)に富士山の噴火を鎮めることを目的とした浅間神社が建立されたとされている。 また、富士山は万葉集をはじめ、古来より和歌や俳句等の題材とされてきたり、平安時代以降の数多くの絵画に富士山が描かれてきたりした。特に江戸時代に描かれた浮世絵の富士山は西洋美術にも影響を与えたとされている。
 構成資産数25個で、山梨県と静岡県に跨る。

世界遺産

白神山地	屋久島	法隆寺地域の仏教建造物
姫路城	古都京都の文化財	白川郷・五箇山の合掌造り集落
原爆ドーム	厳島神社	古都奈良の文化財
日光の社寺	琉球王国のグスク及び関連遺産群	紀伊山地の霊場と参詣道
知床	石見銀山遺跡とその文化的景観	平泉－浄土思想に関連する文化的景観