陸奥の松島は、安芸の宮島、丹波の松島と並ぶ日本三景としても有名で、国の特別名勝に指定されている。名勝・松島は総面積9,717ha、海岸線長約33kmにも及び、海上に230余の大小の島々が浮ぶ。松島湾に浮かぶ島々を一望できる景勝地が四大観（大高森・壮観、富山・麗観、多聞山・偉観、扇谷・幽観）として知られている。
　松島・四大観のひとつ壮観・大高森は松島の対岸・宮戸島のほぼ中央にある。大高森の山頂からは360度の展望がすばらしく、荒々しい嵯峨渓と穏やかな松島湾を望婿とができる。はるか南方には夕日にけぶる蔵王連峰の雄姿が望める。松島の形状を箱庭のように見られることから、壮観と言われる。
　麗観・富山は全山が杉や松、樅の大木に覆われ、山頂には奥州三観音のひとつ、富山観音がある。境内からは静寂の趣の中で松島を大観でき、東南西の三方が一望できる。
　偉観・多聞山は七ヶ浜町の北端・代ヶ崎の断崖にある。ここからは太平洋から打ち寄せては砕け散る波が眺められ、その雄大さから偉観と呼ばれる。また松島の島々を背景にして、塩釜港に出入りする大小の船舶の往来を楽しむこともできる。
　扇谷・幽観は双観山の背後にある高地で、山頂からは松島湾の入り江が扇のように浮かんで見えることから、扇谷と呼ばれる。頂上には藩主の茶亭跡があり、楓が訪れる人々に風情をかき立てる。
　松島湾を眺める瑞巖寺の五大堂からの眺めは必見である。

天橋立